【サボテン教室】Muiria Hortenseae(ムイリア・ホルテンセ)Q&A


(2003/04/13掲載記事の再掲です。)

第3回サボテン市場でご紹介致しましたMuiria hortenseae は日本全国沢山の皆様のお手元に届いた事と思います。憧れの植物を入手なさった皆様は感激なさると同時に、25頭株目指して栽培に励まれる事と思いますが、いかにして自宅栽培場で元気に生育させるか、多数のご質問メールが事務局宛に寄せられました。

その主なものを箇条書きにして、橋本名人に解答頂きましたので、栽培の参考になさって頂きたいと思います。






hortenseae_qa

皆様からのご質問(括弧内は事務局記載)

Q1:培養土の底に排水の為にガラを入れると1頭用の鉢は小さいので培養土が少ししか入りません。今回の1頭を植えるのに適当な鉢のサイズと、ガラを入れる必要があるかを教えて下さい。

A1:2.5号が良いと思います、これ以下だと、用土の乾きが早いので根張りが悪くなると思います。ガラは必要ないでしょう。ただし乾きにくい環境なら、用土が細かいので,ひと並びほど鉢底にガラを入れたら良いと思います。(栽培環境によって差があると言う事だと思います)

Q2:日照は何時間くらい必要でしょうか?又、通風は?常時空気が動く場所に置いた方が良いでしょうか?

A2:大抵の多肉植物は、日照は多い方が良いでしょう。私はホルテンセをタビ形コノフィツムと一緒にしています。5月からは栽培場の窓際に鉢を置きますが、雨の吹き込みには注意が必要です。ただし、大阪でコノフィツムを上手に作っている人は、かなり日陰で栽培していると聞きますので暫く様子を見て置く場所を決めて下さい。

Q3:関東では秋田より早めに休眠すると思いますが休眠中は完全に断水しますか?秋田より断水期間が長くなっても大丈夫でしょうか?夏の夜は霧吹きしないと関東以西では枯死しませんか?

A3:6月中頃から断水し、開花後、旧皮が完全に乾く7月下旬頃から、黒の寒冷紗1枚張った下に置き8月いっぱい断水します。熱帯夜の続く地方の事は不明です。(関東以西は自分でデータを作るつもりで丁寧に栽培する必要がありそうです。今年の夏以後、皆様の栽培結果をお知らせください)

Q4:海水の希釈濃度は分りましたが、毎回海水溶液を潅水するのですか?真水も潅水するなら、海水と真水の回数の比率を教えてください。

A4:潅水は、いつも塩水です。(真水は使用しないと言う事です。植物体に掛からぬよう鉢の周囲から回し入れると言う方法だそうです)

Q5:海水が手に入らない場合は岩塩を置くと聞きましたが必要でしょうか?

A5:岩塩を置くと大きく育つ、そのほか、1リットルにティースプーン1杯の塩を溶かした水を与えると小さく育つ、等の好みに合わせた栽培方法が有るようです。私の経験では、0.1%の塩水が、1番元気に育つように見えます。(橋本さんの場合は海水です。Nacl=食塩で良いかどうかは今後の実験結果を見ないと結論は出ないようです)

Q6:どんな時に、どのような形で枯れてしまうのか(潅水、日射、気温)を教えてください。

A6:成長期の4.5月に根張りが悪い鉢への潅水過多(水のやり過ぎ)が原因になる事が多いようです。例えば5月に、朝は雨で、その後快晴になると蒸れて枯死する場合があります。又7月頃、栽培場に雨漏れがあったりして雨水が掛かると過湿により腐ってしまいます。(何となく元気が無くなり表皮が目立って来て、あれっ?と思っていると、球体下部がドロッとして枯れた体験があります。オランダから買った時は‘年に3回だけ、鉢底から水が出るくらい与える事’とコメントがついていましたが、日本とは気候が違いますので参考にはなりませんでした)

Q7:植物の中心が表面と別に動く様ですが危険でしょうか?
A7:全く不明です。強いて推理すると、送るため乾き気味にしたのが原因で、旧皮と新芽の間に隙間ができた事が原因かと推測する程度です。その株がどうなったかご報告下さい。

東京では最近郊外で、温泉が噴出し話題になっています。特に八王子市大塚に涌き出たナトリウム塩化物温泉(弱アルカリ性高温泉)は家庭に宅配され好評ですが、この温泉水を海水代わりにホルテンセに潅水実験している方があります。海水の入手不可能な地域に在住する方にとっては興味深い情報になるかも分りません。

又、熱帯魚店で売っている、海水の素を希釈している方、又、岩塩代りに鉢に乗せて見る予定の方の話もあります。各自の環境で入手出来る最高のものを工夫しての栽培結果をお待ち致しております。(事務局)