(本記事は、旧ホームページの2004年9月21日の記事を再掲したものです。)
リトープス雑考 奈良県 岡本治男 氏 |
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1. リトープスの種類サボテンは何種類ぐらいあるのですか、とかコノフィーツムの数はおよそいくつですか、などよく聞かれるのですが、私は答に窮します。 園芸植物の場合、原種は勿論のこと、枝変り等による突然変異、或いは交配により得られた秀れた苗に名称がつけられ、世間に出廻った場合は一つの品種として認めるべきでしょう。 |
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カクタスについては特殊な(刺のない)孔産サボテン、シャコ葉サボテンは別としても、ロビビア系の交配種がいったい何種ぐらい世間に出廻っているのか、私にはさっぱり分かりませんし、果してそれらが一品種として認められるかどうかにも問題がありそうです。
コノヒーツムの場合、数多くの交配による実生苗から選ばれた秀れた個体に名称がつけられ、無性繁殖によりマニアの手元に届いているのですか、現存している数はいくつぐらいでしょうか。 しかしリトープスの場合は別です。たとえ交配により秀れた個体が出来ても、増殖により世間に出廻らなければ一品種として認めるわけには参りません。リトープスの株分けによる増殖が困難だからです。従ってリトープスの品種数はだいだい原種の数のプラスαでよいでしょう。 ではリトープスの原種はいったいいくつあるでしょうか。 幸いリトープスは斯界の第一人者、アメリカのデスモンド・T.コール教授により分類され、コールNo.がつけられています。現在のコールNo.数は425です。でもこれはリトープスの品種数ではありません。 コールNo.は原産地により、または最新種は発見順につけられたのですから、リトープスの戸籍簿に違いありませんが、品種名そのものではありません。例えば紫勲はコールNo.が18もありますが、これは18の異った地区で紫勲が発見されているということで、それぞれ産地が違うので多少の個体差はあるでしょうが、品種数としては一つというべきでしょう。 前記コール氏の分類によればリトープス属(genus)には36の種(species)があり、それぞれの種の中に若干の亜種(subspecies)および変種(varieties)があるが、今回は難しいことは抜きにして、各種の中の亜種、変種の数を合計したものを品種(forms)として左図にまとめてみました。 |
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以上合計しますと153になりますが、その他コロナ玉(日輪玉系)朱唇玉(花紋玉系)などの交配種で比較的安定したものを含めますと、約160種というのが、リトープスの品種数になるのではないでしょうか。 |